FC2ブログ
ホーム   »  スポンサー広告  »  スポンサーサイト   »  1970年代邦画  »  新幹線大爆破(1975年)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

新幹線大爆破(1975年)

新幹線大爆破 3 うちにインターネットが開通して数年が経ちますが、ネットを見るようになってビックリしたのは、この『新幹線大爆破』が、自分で思っていたより遥かに多くの人々に支持されているということです。某巨大掲示板を私が見始めた時、既にこの作品についてのスレッドはあり、それ以後も絶えることなく立ち続け、恐らく、私と同年代かそれ以上の年代のオッサン住民達が中心でしょうが、結構な盛り上がりを見せています(もう話すことも無いのか、最近は少々過疎気味ですが)。

 しかし、この作品も、公開時は散々な客入りだったようで、製作費がやっと回収出来る程の興収しか無かったそうです。人気が出始めたのは、テレビ放映されたりレンタルビデオが出始めてからで、徐々に知名度と評価を高めていったのですが、その評価は海外の方がより高いと云うことにも驚かされました。私が初めて観たのも、確か高校(もしかしたら中学生だったかも)の頃、テレビ放映された時で、かなり面白いと思って観た記憶はあります。

新幹線大爆破 1 そういうこともあって、前々から、「これはもう一回観ておかなければならない作品だ!」と思っていたことに加え、前回のエントリーが高倉健主演の『遙かなる山の呼び声』ということで“健さん繋がり”の作品について書きたいということもあって、今回二度目の鑑賞となった次第です。

 久々に観終わっての感想は、確かに面白い。面白いけれど、今観れば、ご都合主義な点やツッコミ所も多く、また、国鉄の協力が得られなかったため、多くの部分を特撮でカバーしなければならなかったのですが、その特撮が見るからにオモチャといった具合に、問題点は多いです。ただ、それらは、私の中では、作品の面白さを邪魔するほどのものではありません。
 問題点は他にあります。今一つ何かが足りない・・・


新幹線大爆破 7

 「新幹線が時速80キロ以下に減速したら爆発する」というアイデアは凄いと思います。後にハリウッド映画『スピード』にパクられたのも頷けます。
 なぜ自分が「今一つ何かが足りない」と感じたのか、その「今一つ」の部分とは何かを自分なりに考えてみるに、それは、「新幹線の爆破を止めること」それ自体に関わる話が乏しい点だと思います。新幹線の外の話に尺を取りすぎているのです。
 爆破ターゲットが走行中の新幹線ということは、爆弾が客室に無ければ、新幹線内部の人間にはもう事件解決のために活躍する場はありません。単なるパニックシーンの盛り上げ要員です。国鉄司令部や警察等、新幹線の外にいる人間を活躍させるしか無いのですが、その外の人間でさえ、爆破を回避するためには、爆弾の外し方を犯人に教えてもらうしか無いと言うのですから、こうなると、犯人側がいかにして金を受け取るか、警察がいかにして犯人を逮捕するか、という方向にしか話を展開させられません。そして、実際、本作も、尺の多くがそちらの方に費やされています。

新幹線大爆破 2 でも、これでは、別に「新幹線大爆破」である必要ありませんよね? 大誘拐でもいいじゃないですか。せっかくの凄いアイデアなのに、結局は普通の犯罪ドラマと同じようにしか話を展開させられていないのです。
 「他の新幹線が故障して109号の進路上に止まっている」というアクシデントを挿入するなどして、精一杯新幹線に絡んだスリルを付け足してはいます。が、爆破回避に至るまでの間、新幹線に関わるそれ以外の見せ場は、新幹線の台車を写真撮影しようとするところと、救援車を並走させて走行中の新幹線から新幹線にボンベを受け渡すシーンぐらいのものです。
 結局は、新幹線の爆破阻止という面では、溶接機で床に穴を開け、爆弾に繋がったコードをニッパーで切るだけという、見栄えのしないアッサリとした決着の付け方で終わってしまいます。


新幹線大爆破 5 ところが、(以下はあくまで私の推察、いや勘繰りですが)怪我の功名と言うべきか、上述の展開が、この作品を「新幹線大爆破を阻止する物語」に終わらせず、図らずも「哀しみを背負った男たちの物語」という一段高いレベルにまで引き上げたんじゃないかと思います。
 この作品、犯人側のバックストーリーを挿入して、犯人達の境遇や犯行に至るまでの経過、心情などを説明しているのですが、そういう話を挿入したのも、新幹線大爆破を阻止するための直接的な物語の部分が希薄で、それだけでは持たないとの判断から、枯れ木も山の賑わいとばかりに入れたのではないか?と私は勘ぐっています。でも、それが枯れ木ではなかったのです。

新幹線大爆破 8 会社が潰れ、妻子にも逃げられた男・沖田。何かに失望して学生運動から脱落した古賀。そして、売血で生きながらえていたところを沖田に拾われ恩義を感じている若者・浩。奇妙な連帯感で結ばれた三人の負け犬が互いに支え合って生きています。そこに漂う哀愁が、負け犬であるはずの彼らを妙にカッコよく見せています。犯行の動機は金か? 憂さ晴らしか? 恐らくそれら全てを含んだ勝利を渇望する心みたいなものでしょう。何か巨大なものを相手に勝利してみたい、という心が、絶望の反動のように、静かながらも、沸々と、彼らの中に沸き出しているのが感じられます。ハリウッド映画では、往々にして、犯人が単純な悪党かサイコパスだったりするのですが、この作品では犯人側にも、それなりの深い人格を与えています(故に、犯罪映画にも関わらず、この作品には悪党が一人も登場しません)。
 それがあるために、この作品がただのパニック・エンターテイメントで終わらずに済んだように思います。

 ただし、より評価が高いという海外では、これらの部分がごっそりカットされ、単純でハリウッド的なパニック・エンターテイメントとして上映されたようです。日本でも、上述の部分は不要だという声は少なからずあります。

新幹線大爆破 4


新幹線大爆破 6 「新幹線が時速80キロに減速したら爆発する」というアイデアも素晴らしいものですが、爆破回避した後、警察が、犯人をおびき出すために行う工作も秀逸なアイデアです。更に、ラストで、犯人・沖田の顔を知らない警察が、空港の客の中から沖田を見つけ出すためにあることをするのですが、そのアイデアも、同時に悲しみを誘うような飛び切り上等なものだと私は思います。この作品、新幹線大爆破を回避するまでより、回避した後の方がよく出来てます。

 忘れてならないのが音楽。作・編曲:青山八郎。一部には、メロドラマのBGMみたいだと揶揄する声もありますが、スキャットから始まるこの美しい音楽は、犯人達の哀しみを表現する上で大きな効果を上げています。私は名曲だと思ってます。ちなみに、スキャットの主は、『アルプスの少女ハイジ』の主題歌でもお馴染みの伊集加代子さんだそうです。


 尚、今日のエントリーを書くにあたって、一応、YouTubeで予告編も見てみました。予告編では多岐川裕美や志穂美悦子の名前がデカデカと掲げられていますが、ほとんど詐欺です!! 観た方なら分かりますよね? でも、この作品、本当に豪華キャストです。しかも随分贅沢な使い方をしています。多岐川さん、志穂美さんも、その例です。誰がどこに出ているか、その辺を探しながら観るのも楽しいですよ。 

『新幹線大爆破』予告編



『新幹線大爆破』(1975年)
監督:佐藤純弥
脚本:小野竜之助・佐藤純弥
原案:加藤阿礼
音楽:青山八郎
撮影:飯村雅彦
編集:田中修
製作・配給:東映

出演:高倉健千葉真一宇津井健山本圭郷鍈治、織田あきら、竜雷太宇津宮雅代、藤田弓子、多岐川裕美、志穂美悦子、渡辺文雄、福田豊土、藤浩子、松平純子、久富惟晴、青木義朗、千葉治郎、原田清人、浜田晃、中井啓輔、山本清、矢野宣、近藤宏、田中浩、中田博久、林ゆたか、横山あきお、浅若芳太郎、植田峻、松野健一、田島義文、田坂都、十勝花子、片山由美子、風見章子、佐伯赫哉、岩城滉一、小林稔侍、片岡五郎、滝沢双、佐藤和男、岡本八郎、黒部進、相川圭子、山下則夫、山本緑、志村喬、山内明、永井智雄、鈴木瑞穂、北大路欣也、川地民夫、田中邦衛、丹波哲郎、他

YouTubeでも有料配信されてるのを発見!!YouTube『新幹線大爆破』

ポチッ!とやってもらえると幸せです
にほんブログ村 映画ブログへ  

スポンサーサイト
Comment
Trackback
Trackback URL
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

Blik

Author:Blik
作品や監督、俳優等について深い知識は持ち合わせておりません。ハッキリ言えばニワカですので私の評はアテにしないでください。また今日も頓珍漢なこと書いてやがんなあ、ぐらいの感じで読むのが丁度良いかと思います。

最新記事
カテゴリ
検索フォーム
リンク
最新コメント
月別アーカイブ
最新トラックバック
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
PR
NHK 金曜ロードSHOW! 日曜洋画劇場 水曜プレミアムシネマ BS11 ホタルノヒカリ 愛と誠 臨場 劇場版 苦役列車 おおかみこどもの雨と雪 ヘルタースケルター ベティ・ブルー 海猿_BRAVE_HEARTS 日活100周年邦画クラシックス ボノロン 浅草花やしき こども商品券
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。