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紅の豚(1992年)

紅の豚原作・脚本・監督:宮崎駿
製作:徳間康快、利光松男、佐々木芳雄
製作補:山下辰巳、高木盛久、氏家斉一郎
背景:男鹿和雄
作画監督:賀川愛、河口俊夫
原画頭:金田伊功
原画:近藤勝也、佐藤好春
美術監督:久村佳津
編集:瀬山武司
音楽監督:久石譲
声の出演:森山周一郎、加藤登紀子、桂三枝、上條恒彦、岡村明美、大塚明夫


 前世紀の宮崎駿作品はほとんど観てるけど、この作品は観てなかった。観たいとも思わなかった。なぜって、主人公が豚だしオッサンだし、あんまり面白そうに思えなかったんで。「外見は豚だけど、私の手にかかればこの醜い生き物が凄くカッコよくなるんだよ」と言いたげなのもイヤだった(ひねくれ過ぎ?)。
 しかし、せっかくテレビがタダで観せてくれるんだし、一回ぐらい観とくべきじゃないか? そう思って、公開から20年近くも経って初めて鑑賞する決意を固めたのだった。

 感想はと言えば、さすがに宮崎作品だけあって、それなりに面白い作品に仕上がっている。ポルコと他の登場人物達との会話が楽しい。多少、話が間延びしている嫌いはあったし、クライマックスも今ひとつ盛り上がりに欠けてはいたけれど、でもそれが、地中海という穏やかな舞台で、アニメらしいほのぼのとした雰囲気を醸し出しているのかも知れず、それはそれで良かったんだろう。

 宮崎アニメの売りである美しい背景画がこの作品でも堪能できた。青い海、青い空、白い雲、海辺の樹々と街並み等、画面の隅から隅まで美しい。中盤、ポルコの飛行機が雲の大平原にポツンと浮かび、はるか上空を飛行機群が一条の白い光の帯のように連なり飛んでいくシーンも幻想的で素晴らしいイマジネーションであり、この作品の中で一番良いシーンだと思う。宮崎アニメの名シーン・ベスト10に入れてもいいぐらい。

 宮崎作品は画面の向こうにいつも宮崎監督の顔が見えるのだけど、この作品はひときわ宮崎臭かった。何たって飛行機乗りの話だ。宮崎監督がクラシカルな乗り物が好きそうなことは、彼の作品に出てくるメカのデザインや、出てくる車に古い型のものが矢鱈多いのを見れば大体察しがつく。この作品の本当の主役は実は飛行艇かも知れない。ポルコの乗る赤い飛行艇、カーティスの青い飛行艇、その他カッコイイ飛行艇がいくつも出てくる。模型片手にニンマリしながら絵を描いている宮崎監督の姿が思い浮かぶ。「これは仕事じゃないよ、趣味だよ」と言ってたかも知れない。

 観ていて、ふと、昔読んだ松本零士の『戦場まんがシリーズ』を思い出した。松本零士も飛行機の部品を集める趣味がある。『紅の豚』の雰囲気はあの作品よりはるかに明るいが、松本零士も「男たるもの」を描くことにこだわりを持っていて、ポルコとカーティスの意地の張り合いは松本零士の漫画を読んでいるようだった(それは宮崎アニメによくあるパターンではあるのだけれど)。観ていてあまりに重なってしまったのだが、松本零士の作品から影響は受けていないのだろうか? あるいは、松本零士の作品は好きですか?と、一度本人に聞いてみたいところだ。 

 登場人物については、“空賊”達の悪党らしからぬキャラも親しみが持てるし、冒頭の幼女達はトトロに出てくるメイが一杯と言った感じで矢鱈可愛かった。
 ただ、マドンナ役であるジーナにあまり魅力を感じられなかったのが残念。美人に描けば魅力的に見えるもんじゃないということは作家なら分かっていると思うのだが、周りの男たちを半ば子供扱いしたセリフでそれをやったつもりなのか? いや、それじゃ足りませんよ、監督。彼女についてのエピソードがもうちょっと欲しかったところ。
 はっきり言うと、主人公ポルコも豚であること以外キャラとしてはイマイチ弱いかなと思った。よくこんなセリフ思いつくもんだと感心するほど、ポルコのセリフは洒落ているのだが・・・ハードボイルドと聞いて誰もが真っ先に思い浮かべるイメージ、例えば『カサブランカ』のハンフリー・ボガート等のイメージをそのままポルコに当てはめただけじゃないの?という印象だ。キャッチコピーは「カッコイイとは、こういうことさ。」だったが、それなら、事が上手くいった時に腕を突き上げたり、親指を立てたりといった陳腐なポーズを取らせるのはやめて欲しかった。カッコ良さを追求するならあのポーズはかなり方向違いだ。

 前半は、「何で豚なんだ?」「こんな豚人間を見て周りの人達は平気なのか?」という下らないことばかりが気になってストーリーを追い難かった。ポルコが豚の姿になっている理由も、「どうやったらあなたの魔法が解けるのかしらね?」というジーナのセリフから、魔法でそうなったんだろうことは分かったけど、結局最後まで説明は無かった。途中から「豚だから豚なんだ。もうそれでいいや」と、気にしないよう努めたが、こういう、話の基本に関わることは簡単にでもいいからどこかで説明してくれてもいいんじゃないか? 「豚になった理由がそんなに大事ですか?」「何でもかんでも説明しないといけませんか?」と言う人も少なからずいるし、彼が豚である理由が物語の核心でもないのだから別にいいのかも知れない。第一これは大人のための「ファンタジー」だ。だけれども、どこか人を食ったような姿勢を感じて、つい「よぉ、よぉ、宮崎よぉ~」と絡んでやりたくなるのだ。Wikipediaによると、「軍隊社会に嫌気がさしたため、自らに魔法をかけて豚の姿となった」らしいが、物語の中で説明しないのは反則だろうがよ、とまた絡みたくなるのでここらで止めておく。
 
 まあ、ケチをつけようと思って観ればいくらでもケチのつけようはある。それでも、上に書いたように、この作品がかなり楽しめる良作であるのは間違いない。最近のジブリ作品はあまり観てないけど、少なくとも2001年の『千と千尋の神隠し』までのジブリ作品は、高畑勲監督の『火垂るの墓』や『平成狸合戦ぽんぽこ』も含めてハズレ無し。楽しい時間をどうもありがとうとお礼を言いたい。

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作品や監督、俳優等について深い知識は持ち合わせておりません。ハッキリ言えばニワカですので私の評はアテにしないでください。また今日も頓珍漢なこと書いてやがんなあ、ぐらいの感じで読むのが丁度良いかと思います。

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