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黒部の太陽(1968年)

 NHK-BSで放映された『黒部の太陽』を観てみた。
「こういった作品は映画館の大迫力の画面・音声で見て欲しい」と石原裕次郎が言い残したとかで、『黒部の太陽』は『栄光への5000キロ』と共に現在に至るまでソフト化されておらず、テレビで放映されるのも1979年10月以来実に33年ぶりということらしい。今観とかないと次はいつ観れるか分かったもんじゃない!と言うことで取り敢えず録画して観てみた。ただ、放映されたのが元の尺を1時間ぐらいカットした特別編だったのは残念だった。

 あらすじを簡単に書くと、関西電力が、電力の安定供給を目的に黒部に巨大なダムを建設することになり、第一工区から第三工区までの責任者として北川(三船敏郎)が任命される。ダム建設の為には現場に資材を運ぶためのルートが必用で、北川は、熊谷組・岩岡(石原裕次郎)と共にトンネル掘削工事に取り掛かる。黒部にはフォッサマグナが通っていて、破砕帯に当たったら、かなり困難なことになることを岩岡は懸念していたが、その懸念通り、トンネル掘削をする熊谷組の前に破砕帯が現れ、枯れることのない地下水の流出で足止めを食らう。北川と岩岡は第二、第三と数本のパイロットトンネルを掘ることで水抜きを試みるが、そのどれもが失敗する。それでも、次のパイロットトンネルを掘り、それがダメならまた次のパイロットトンネルと諦めることなく何本ものパイロットトンネルを掘って、とうとう破砕帯を突破することに成功、ダムは完成する、といった感じの筋だ。

 圧倒的なスケール感、そして男臭いぐらに男臭い二人の大俳優の共演。それに黛敏郎の荘重な音楽が加わって申し分の無い大作に仕上がっている。だが、それ以上に、この映画がまさに日本人の不屈の精神を讃える作品になっているところが良い。
 その工事がいかに困難なものであったかは少しは知っていたが、こうやって目の前に見せられると思わず唸ってしまう。最初のほうで、切り立った崖にあるキャットウォークのような道を重い荷物を担いで人夫達が歩くシーン。見ているだけでこちらまでゾワゾワしてくるが、これはフィクションではなく、実際にここを歩いて登ったのだと思うと、彼らの心の中には何があったのだろう?と考えてしまう。
 大変な時代で、こんな仕事でもやらなければ生きていけないということも確かにあっただろう。しかし、それ以上に、彼らの心の中には新しい日本を作るんだという決意があったのではないか?
 黒部ダムの事業が開始されたのは1956年。1956年といえば、経済企画庁が「もはや戦後ではない」と経済白書で宣言した年だ。前年からは神武景気も始まり、取り敢えず復興の時期は過ぎていただろう。しかし、復興の後に求められるのは成長だ。そのためになくてはならないのが電力の安定供給だったのだ。
 北川の心の中には、日本の未来のためにという使命感があったに違いない。戦争でボロボロになった日本を不死鳥のように蘇らせるのだという思いだ。その思いは岩岡も共有していたろうし、もしかしたらその下の人夫達にもあったかも知れない。一部の人夫達は途中で去っていったが、一方に残った人夫達がいる。彼らが単に生活のためだけにダム工事に従事していたと考えるのはあまりに寂しい。
 トンネルは彼らの命懸けの働きによって貫通した。ダムが完成するまでに出した殉職者の数は171人に上ると言う。それでも彼らは日本の未来のためにやり遂げなければならなかった。その後の日本の繁栄の礎を作った男達に心からの敬意を表したい。

黒部の太陽『黒部の太陽』 (1968年)
監督:熊井啓
脚本:井手雅人、熊井啓
原作:木本正次
音楽:黛敏郎
撮影:金宇満司
編集:丹治睦夫
製作:三船プロダクション、石原プロモーション
配給:日活
協力:関西電力、間組、鹿島建設、熊谷組、佐藤工業、大成建設、ブルトーザー工事、日本国土開発、朝日ヘリコプター、小松製作所

出演:三船敏郎、石原裕次郎、二谷英明、宇野重吉、滝沢修、辰巳柳太郎、佐野周二、岡田英次、芦田伸介、志村喬、柳永二郎、玉川伊佐男、高津住男、加藤武、成瀬昌彦、信欣三、大滝秀治、下川辰平、庄司永建、鈴木瑞穂、日色ともゑ、樫山文枝、川口晶、内藤武敏、榎木兵衛、武藤章生、高峰三枝子

【参考】
熊谷組「黒部の太陽について」

【関連商品】
木本正次・著『黒部の太陽』信濃毎日新聞社[文庫]
木本正次・著『黒部の太陽』新潮社[単行本]


熊井啓・著『黒部の太陽・ミフネと裕次郎』新潮社 [単行本]
内容(「BOOK」データベースより)
昭和43年公開『黒部の太陽』(製作・主演/三船敏郎・石原裕次郎、監督/熊井啓)は、観客動員733万人、興収16億円(現在の80億円相当)の大ヒットとなった前代未聞の超大作映画である。しかし、完成・公開に至るまでには、想像を絶する苦難の日々があった。五社協定の壁、配給問題、資金調達、裕次郎が骨折した大出水シーンの撮影…。それでも男たちは、ひたすら突き進む。その後、裕次郎の「大画面でのみ、お客様に観ていただきたい」との要望で、再上映もDVD化もされていない。あれから38年。監督だからこそ知りうる秘話を満載し、何かに熱くなることだけがすべてだった“あの時代”が、いま、鮮烈によみがえる。


プロジェクトX 挑戦者たち シリーズ黒四ダム 「秘境へのトンネル 地底の戦士たち」「絶壁に立つ巨大ダム 1千万人の激闘」 [DVD]

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作品や監督、俳優等について深い知識は持ち合わせておりません。ハッキリ言えばニワカですので私の評はアテにしないでください。また今日も頓珍漢なこと書いてやがんなあ、ぐらいの感じで読むのが丁度良いかと思います。

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