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天使のはらわた 赤い教室 (1979年)

 “にっかつロマンポルノ”の名作ということで観てみました。

赤い教室1 エロ本出版の仕事をしている村木(蟹江敬三)は、1本のブルーフィルム(今で言う無修正AVみたいなもの)を見て、そこに出演している女に恋をします。なんとかその女に会いたいと思い続けていた村木は、偶然にもその女・名美(水原ゆう紀)を見つけ出します。

 しかし、ブルーフィルムは、実際にレイプしている現場を撮ったもので、その後の名美の人生は大きく狂わされていました。名美は心が荒み、男というものを信用しないばかりか憎しみさえ抱く女になっていたのです。村木は己の赤心を吐露します。エロ本の出版をやっていることも話しました。村木の心は通じました。名美は自分の名前を教えます。

「名美・・・土屋名美」

 人生を破壊された女と陽の当たる場所を歩けない男、境遇に恵まれない二人の心が一瞬だけ結びつきます。しかし、それは本当に一瞬でした。

 明日改めて会って欲しいという村木の言葉を信じ、約束の場所で待つ名美でしたが、村木がやってこないのです。村木は、以前使ったモデルが未成年だったことで警察に捕まっていたのでした。

赤い教室2 裏切られたと思った名美は、酒場で知り合った男とラブホテルに入り、精を吸い尽くさんばかりに男を貪ります。まるで男を喰うモノノケのようです。しかしそれは、性欲の昂りからではなく、男をいたぶっているのだなということが伝わってきます。これが彼女流の男への憎しみのぶつけ方なのでしょう。オマエなんかどうせこの程度のもんだろ?と言ってるようにさえ見えます。

 搦め捕られてしまった男もいます。“マーちゃん”と呼ばれ、Barブルーでオカマのバーテンをさせらている男も、名美と知り合わなければドブ水の中を這い回るような人生は送っていなかったことでしょう。名美によって地獄に引きずり込まれたのでした。呪い殺せるものなら全ての男を呪い殺したい。名美の体からはそんな負のオーラが沸き立っています。

 村木と再会する名美ですが、もう村木を受け入れる気配はありません。

 毒を喰らわば皿までとばかりに、名美の行動は、自分から地獄へ地獄へと突き進んでいってるようにも見えます。マーちゃんとの白黒ショーのシーンは、この作品の最大の見せ場でしょう。腐った世界を見てしまいました。ショッキングでした。

 しかし、ラストでは希望が見えました。「行こう、オレと一緒に」と、腐った世界からの脱出を促す村木に「来る? あなたが」とはぐらかす名美。なおも説得する村木。水たまりに映った名美の顔が悲しそうです。心が葛藤しているのです。もしかしたら、もう一度村木を信じるかも知れない。そして、村木と一緒にそこを出ていくかも知れない。私はそう感じました。そうあって欲しいです。 


 名作と言われるだけあって、物語はちゃんと作られてました。“にっかつロマンポルノ”だけあって濡れ場が散りばめられてますが、それはポルノだからではなく、セックスが無いと成り立たない物語だからであり、そういう類の物語もあるんだなと認識させられました。
 一本のブルーフィルムが女の心をここまで荒廃させてしまうのか、他に道は無かったのか、名美という女を見ていると、こちらの心までどんよりと澱んでいきそうです。ロマンポルノでこんな陰鬱な気分にさせられるとは思ってもいませんでした。名作です。

石井隆1 原作は、この作品で脚本も書いている石井隆の劇画。映画監督としても有名ですが、ご存知のように、創作活動のスタートは劇画からです。とにかく絵が上手い方でした。大友克洋か石井隆かってぐらい上手いです。調べると、一番最後の単行本は旧作を収めた『名美・イン・ブルー』で2001年の発行です。もう描いてないのかな? 勿体無いです。高校時代から映画関係のサークルで活動したり、その後、映画会社で助監の手伝いのバイトもしてたようだから、元々映画の方をやりたかったのかも知れませんが。にしても、才能豊かな方ですね・・・羨ましいです。


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赤い教室3天使のはらわた 赤い教室』 (1979年) 
監督:曽根中生
脚本:石井隆、曽根中生
原作:石井隆
出演:水原ゆう紀、蟹江敬三、あきじゅん、水島美奈子、堀礼文、河西健司、草薙良一、影山英俊


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作品や監督、俳優等について深い知識は持ち合わせておりません。ハッキリ言えばニワカですので私の評はアテにしないでください。また今日も頓珍漢なこと書いてやがんなあ、ぐらいの感じで読むのが丁度良いかと思います。

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