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幕末太陽傳(1957年)

 BSプレミアム『山田洋次監督が選んだ日本の名作100本』も今年で2年目。今年度のテーマである「喜劇編」の幕開けを飾る作品として『幕末太陽傳』が放映された。

 山田監督は、番組開始に先立って放送された『2年目は喜劇編!50作品発表』という番組の中で、前年度の「家族編」に続くテーマがなぜ「喜劇編」なのか?という問いに、「今の時代、みんな笑いたがっているのに、喜劇映画が少ないから」と答えている。

 そして、幕開けに選ばれたのが、この『幕末太陽傳』なのだが、笑いと同時に、この世をしぶとく生きる人間達の逞しさがこれでもかこれでもかと詰め込まれた傑作だった。

 主人公の居残り佐平次(フランキー堺)は、結核を患っていていつ死ぬか分からない境遇だが、それに落ち込むことなく、持ち前の才覚を活かして周りを手玉に取り、したたかに生きている。彼だけではなく、女郎のおそめ(左幸子)、こはる(南田洋子)やその他大勢の登場人物達が、みんな転んでもタダでは起きなさそうな逞しさを持ち非常に魅力的だ。高杉晋作(石原裕次郎)ら幕末の志士達も日本を変えてやるというエネルギーに溢れている。観ていると、負けてはいられないというパワーが湧いてくるような、そんな作品だ。まさに『『幕末“太陽”傳』だ。
 居残り佐平次がラストで、「嘘こいてると地獄さ落ちねばなんねえど」と呼び止める杢兵衛に、「地獄も極楽もあるもんけえ。俺はまだまだ生きるんでえ!!」と叫んで走り去っていく姿は実に頼もしい。監督の川島雄三は監督昇進の頃から筋ジストロフィーという難病に冒され、この作品が公開された6年後に他界されたそうだが、多くの解説にあるように、やはり「死んでたまるか!」という生への執着を佐平次に込めたのだろう。「つまらんことで悩んでちゃいけないよ」という川島監督の声が聞こえてきそうだが、自ら難病に冒されているのに、それを説教臭さ無しに笑いの中で伝えられる川島監督の大きさまで感じてしまう。
 山田監督がこの作品をスタートの1本に選んだのは、こういうパワーを感じ、それを自分のものとしてもらいたいという思いもあったのではないだろうか?

 落語を下敷きにしているらしいが、出典を知らなくても全く関係なしに楽しめる。とにかく一人でも多くの人に観ていただきだい。きっと凄いエネルギーを貰うことが出来るだろう。

幕末太陽傳『幕末太陽傳』(1957年)
監督:川島雄三
脚本:田中啓一、川島雄三、今村昌平
製作:山本武
撮影:高村倉太郎
音楽:黛敏郎
美術:中村公彦、千葉一彦
録音:橋本文雄
照明:大西美津男
風俗考証:木村荘八
特殊撮影:日活特殊技術部
監督助手:浦山桐郎、遠藤三郎、磯見忠彦

出演:フランキー堺、左幸子、南田洋子、石原裕次郎、金子信雄、山岡久乃、梅野泰靖、岡田眞澄、小沢昭一、芦川いづみ、菅井きん、西村晃、二谷英明 、小林旭、

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Author:Blik
作品や監督、俳優等について深い知識は持ち合わせておりません。ハッキリ言えばニワカですので私の評はアテにしないでください。また今日も頓珍漢なこと書いてやがんなあ、ぐらいの感じで読むのが丁度良いかと思います。

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