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野獣死すべし(1980年)

野獣死すべし 4 松田優作、1980年の主演作です。
 本作の主人公・伊達邦彦は、時折コミカルな味を加えつつ、野性味を基調にしていたそれまでの松田優作とはガラリと違い、戦場を渡り歩くうちに人格が破壊され、内面に狂気を孕んだ、一種の快楽殺人者であり、この作品も、80年代突入を機に、単なるアクション俳優から、何が何でも更なる上のステージに駆け上がろうとする優作が、己の演技力を誇示せんとした見本市的野心作です。

 この『野獣死すべし』出演にあたって、優作は10kg以上の減量をし、さらに上下4本の奥歯を抜いて頬をこけさせたというエピソードも伝わっており、また、優作の身長が、主人公・伊達邦彦の設定上の身長より5センチほど高かったため、「可能なら足を5センチ程切断したい」と真剣に語っていたと言うほど、本作は、優作が己の将来を賭け、目いっぱい入れ込んで作った作品でもあります。

 それだけやった甲斐もあって、この作品での優作の顔は今までと明らかに違います。顔色は青白いし、ヒョロヒョロと痩せこけていて、どこか、植物的です。野性味溢れる優作の面影はありません。それは、減量や抜歯によるものと言うより、もう、演技で顔を変えているのです。昔の優作の顔が好きな私としては、その、昔の優作の顔を本作のどこかでチラリとでも見たかったのですが、優作はとうとう最後まで見せてくれませんでした。これはこれで、凄いことではありますが。

 また、アウトロー世界の中をちょこまか動き回るというこれまでのパターンを捨て、伊達邦彦は、戦争という、より巨大な暴力の中を渡り歩いてきた男と設定され、言わばチンピラ的スケールの物語世界からの脱却も図られています。
 そういう作品でもありますから、松田優作主演のアクション映画の中では、ストーリー自体は一番面白かったです。

野獣死すべし 2

 しかし、正直に言うと、私はこの『野獣死すべし』での松田優作があまり好きではありません。上述したようなワケで、野性味ではなく狂気を前面に出してますし、「目が死んでる」と鹿賀丈史に言われるように、感情を持たない人間を目で演じる優作の、その目が気持ち悪くて仕方ないのです。私がそう思うことは、優作の勝ちを意味するのかも知れませんが。

 私がこの作品を初めて見た時はまだ10代で、その頃は、表向き大人しそうなインテリ青年が、裏では、善を超越した非情極まりないアウトローに豹変するという二面性に強く惹かれたものですが、今見ると、その裏の顔があまりにキ○ガイだし、ハッタリかますように朗読する萩原朔太郎の詩や、例の「君はいま美しい」という悪魔の洗礼の言葉も、(その頃無かった言葉ですが)いかにも「中二病」少年が好みそうな小道具です。当時の私もまた「中二病」が抜けきれてなかったのかも知れません。

 また、新境地を開こうと優作が入れ込んでる分、その狂気を孕んだ演技も、多少作り過ぎかな?と思うぐらい鼻につくシーンが多かったように思います。終盤、電車の中で室田日出男を殺し、更に鹿賀丈史を殺すまでの一連の演技に至っては、最早「臭い」という感じでした。よほど「演技派」という肩書きが欲しかったのでしょうか。今まで通りで良かったのに・・・。
 
野獣死すべし 1 この作品では、むしろ、鹿賀丈史のほうがインパクトがあって印象的でした。最初に登場した時の、うっかり手を出したら噛み付かれそうな、それこそ野獣のような凶暴性を感じさせる演技は凄かったです。ただ、それも登場した時だけで、後は、優作の中の、より巨大な悪を畏怖し、その前で恐れおののく飼い犬になってしまったのは残念です。最初のレストランでのキャラクターのまま、何か別の作品を観てみたかった。


 この作品を語る時、常に話題に上がるのがラストの難解さでしょうか。
 夢オチだという点では、皆さんの解釈は大体一致しているのですが、それなら、どこからが夢だったのか、よく分かりません。冒頭で青木義朗扮する警部を殺したところから既に夢だったのか、それとも、小林麻美の横に座ってコンサートを観ている途中で眠ってしまい、夢を見たのか?

野獣死すべし 3 答えは、最初に小林麻美が横にいた時と、最後で優作が居眠りしている時で、周りの観客の顔ぶれが違うことで分かりました。最初と最後のコンサートシーンは同じ時系列上にあるのではなく、最初が夢の中、最後が現実だと思われます。
 つまり、映画の冒頭からラストで目覚めるまでが全部夢だったのです。最初のコンサートのシーンは夢で、周りも夢の中だけに登場する観客です。だから、最後に登場する周りの観客とは顔ぶれが違うのです。

 目覚める前の段階で、二つの空席が写っています。小林麻美が途中で死んでしまったため混乱するのですが、これは、小林麻美も夢だけの人物で、本当はいなかったことを表していると思われます。そこへ優作が来て、二つの空席のうちの一つに座り、居眠りを始めたのでしょう。

 難解さの頂点は、優作がコンサートホールを出た時、何者かに撃たれて死ぬラストシーンです。
 撃ったのは誰かとか、なぜ死んだはずの室田日出男がいるんだ?とか、あれは優作の見た幻影だったのではないか?とか、挙句の果てには、いちいち意味を探るほどのラストシーンではないという意見も出てきたり・・・

 それでも敢えて私なりの解釈を書きますと、あれは、ふざけて死んだ真似をしているだけだと思います。ズッコケそうな解釈ですいません。

 その前のシーン、コンサート会場で目覚めた優作が何をしたでしょう? まず立ち上がって、「あれ? オレ、確かこういうポーズ取ってたよね?」という感じで、天に向かって指を突き上げた後、だだっ広いホールの中で「あっ」「あっ」と声を上げます。ふざけているのです。子供のようにその反響を楽しんでいるのです。この声を上げるシーンと、前の居眠りをしているシーンをひっくるめて、優作が、最早、居眠りするほどに音楽を解さない獣になってしまっていて、言葉さえ失い、獣のように声を発するだけになってしまったのだ、とする見方もありますが、考え過ぎでしょう。優作はそのまま外に歩いていき、まるで観終えたばかりの映画の真似をするように、撃たれて死ぬ真似をするのだと、私はこう解釈しました。向こうに立っている室田日出男は本当にそこに立っているのではなく、優作のイマジネーションです。小林麻美同様、実在しなかったと思われる人物ですし。

 作り手側も正解は用意していない可能性もありますが、こう考えるのが一番自然なんじゃないかと思うのですが・・・

『野獣死すべし』(1980年)
監督:村川透
脚本:丸山昇一
製作:角川春樹
製作総指揮:黒澤満、紫垣達郎
音楽:たかしまあきひこ
撮影:仙元誠三
編集:田中修
配給:東映

出演:松田優作小林麻美鹿賀丈史、岡本麗、根岸季衣、風間杜夫、岩城滉一、佐藤慶、室田日出男

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乱れからくり(1979年)

《あらすじ》
玩具メーカー「鶴寿堂」の製作部長の馬割朋浩が交通事故に遭って死んだ。息をひきとる直前、同乗していた妻、真棹の首を締めようとしながら。「鶴寿堂」社長・馬割鉄馬に依頼されて会社乗取り工作を調査していた興信所の社員勝敏夫は、すんでの所で真棹を助け出した。馬割家は江戸時代以来の人形作り一節に歩んできた一族で、現在は、脳溢血で倒れた三代目の鉄馬に替って息子の宗児が営業部長を、鉄馬の弟、龍吉の息子朋浩が製作部長を担当して店の経営にあたっていた。しかし、朋浩の妻、真棹と宗児には肉体関係があり、朋浩と宗児の仲は業界でも評判の険悪なものであった。やがて、「朋浩さんは殺されたのよ!」と話していた宗児の妹の香尾里が屋敷内で殺された。馬割一族の住む屋敷は〈ねじ屋敷〉と呼ばれるほど迷路の入り組んだ邸宅で外部の者はとても自由に歩けない。犯人は内部に存在するのか?つづいて宗児が自分の自慢の茶運び人形に仕掛けられた毒入りの注射器で殺された。敏夫は、茶運び人形の作者が江戸時代末期に金沢で活躍した天才人形師、大野弁吉であることをつきとめ、金沢に飛んだ。
乱れからくり - goo 映画


監督:児玉進
脚本:永原秀一
原作:泡坂妻夫
製作:田中文雄
撮影:上田正治
美術:樋口幸男
音楽:大野雄二

出演:松田優作野際陽子篠ひろ子沖雅也峰岸徹岸田森、結城しのぶ、田中邦衛、山西道広、北見治一


乱れからくり1 久しぶりに松田優作主演作を観ました。『乱れからくり』という1979年の作品です。原作は泡坂妻夫による同名の小説で、「第31回(1978年)日本推理作家協会賞」受賞作であり、直木賞候補にも挙げられていたそうです。そういう作品ならさぞや面白い映画に仕上がっているだろうと期待して観ました!! が・・・残念ながらあまり楽しめませんでした。

 とにかく脚本が荒いように思います。都合よく話が進み過ぎだし、ところどころ張られた伏線が全然回収されないまま終わったり。勝君(松田優作)と真棹(篠ひろ子)が逃げ込んだ旅館に、送られてきた人形の意味は何だったのでしょう? 大野弁吉の弟子・久右衛門が馬割作蔵と同一人物だったことで、なぜ、銭屋五兵衛の隠し財産がネジ屋敷の地下に隠されていることが分かったのでしょう? 勝君と真棹はいつの間に恋仲になったんでしょう? ・・・観終わっても納得いかない点が所々あって、消化の悪い食い物を食っちまった感が残ります。

 でも、良い点もありました。
 例えば、宗児(峰岸徹)が勝くんや宇内舞子(野際陽子)らに、自分のカラクリ人形のコレクションを嬉々として見せびらかすシーン。あれは良かった。「私のコレクション見てくださいよお」という雰囲気が出てて、「ああ、コレクターってこんな感じなんだろうな」と微笑ましくさえありました。勝君は少々退屈そうでしたが、宇内舞子はとりあえず彼に付き合って褒めて差し上げたりして、いや、私もあの場にいたら、内心興味無くてもビックリしたふりをしてあげたい、と思うほど、宗児が幸せそうで良かったです。

 また、【映画宝庫V3】さんによると、監督の児玉進という方は、テレビドラマ『太陽にほえろ!』のメイン監督を務めた方で、作品の中に登場する警察内部も『太陽にほえろ!』のセットを流用しているそうです。観ていると、「あ、これ七曲署じゃん!!」というシーンがあって、そういうところは楽しめます。

 登場人物については、奈良木警部役の田中邦衛は目いっぱいキャラを立てようとしてるのは分かりますが、どこか浮いてました。 
 でも、野際陽子演じる宇内舞子は、男言葉で話す面白いオバサンで、良いキャラクターでした。素人考えではありますが、松田優作野際陽子のダブル主演にして、二人のやりとりをもっと増やしたほうが面白くなったんじゃないかな?と思います(いっそのこと野際陽子主演でも良かった)。

乱れからくり3 ただ、トリックの強引さはどうにかならなかったですかね?(ネタバレしまくってますので、これから観るつもりの人は読まないように)
 第一の殺人として、馬割朋浩(沖雅也)と、その妻・真棹(篠ひろ子)を乗せた車が、空港に向かう途中で事故を起こし、朋浩だけが全身火傷で死んでしまうわけですが、実は朋浩が替え玉を用意して、自分が死んだように見せかけた、ということになってます。しかし、事故を起こした場所はどう見ても住宅街のど真ん中。こんな場所で事故を起こし、しかも車のトランクに乗せておいた替え玉を運転席に乗せるなんて出来ますか? 事故だけで大音響がするはずですし、車は炎上しているわけで、周りの住民は何事かと窓からでも様子を窺うでしょう。たとえ誰にも見られず入れ替えることが出来たとして、その替え玉が、誰だか判別出来ないぐらい燃えてくれるという保証がどこにあるのでしょう? あまりにリスクが大き過ぎるんじゃないでしょうか?
 第二の殺人は、馬割香尾里(結城しのぶ)が、朋浩からのプレゼントである万華鏡を受け取り、それを同封の手紙の指示通り池の縁で覗くと、万華鏡の覗き窓から銃弾が発射され香尾里が死ぬ!!というものですが、これもおかしなトリックでした。まず、香尾里が万華鏡を覗いた途端に銃弾が発射されるというのはどういう仕掛けでしょう? これについての説明は全然ありません。まあ、いいですよ、馬割家はカラクリに詳しそうな家ですから何らかの仕掛けが出来たのでしょう。でも、香尾里が朋浩からの指示通りに池の縁で万華鏡を覗いた結果、万華鏡は池に落ちて、凶器が何か分からなくなる、というトリックはいかがでしょう? 「石灯籠のところに立って万華鏡を覗け」という手紙だけで、香尾里が都合よく池に万華鏡が落ちる位置に立つ保証はあるのでしょうか? 画面で見る限り、石灯籠と池までは2メートルはあります。どこに立つか分かったもんじゃありません。むしろ池の縁ギリギリの所に立つ確率のほうが低いように思うのですが。
 第三の殺人で殺されるのは、香尾里の兄・宗児(峰岸徹)です。勝や宇内舞子に茶運び人形を見せている途中、人形に仕込まれた毒物入りの注射器に刺され、死にます。これも変です。朋浩は自分が海外に行っている2週間の間に宗児を殺す算段だったのですが、その2週間の間に、宗児がカラクリ人形に触る保証がどこにあったのでしょう? まあ、朋浩は途中で偽装死することになってますから、それが3週間後でも4週間後でもいいのかも知れませんが、それでも、第四の殺人に至っては、脚本家、本気で考えてるの? と言いたくなります。
 被害者は、馬割家当主・馬割鉄馬(岸田森)です。普段飲んでいる薬を飲んだところ、それに混入されていた毒によって死にます。トリックとしては、カプセル錠の中身が全部毒物にすり替えられ、ただ一錠を除いて、カプセルが全てプラスチック製にされていたので胃の中で溶けず死ななかった。しかし、一錠だけ、カプセルがゼラチン製なのがあって、それを飲むと毒で死ぬ。と言うんですが、そんな面倒臭いことしなくても、一錠だけに毒入れとけば済むやん・・・としか言いようが無かった。
 最大のトホホは、真犯人朋浩が、銭屋五兵衛の隠し財産を独り占めするため、容疑をかけられないよう自分が死んだことにして、馬割家一族を皆殺しにしていくという計画です。思うに、たとえそれが全て上手くいったところで、「死んだはずのアンタが、どうやってその財産の正当な所有権を主張出来ますのん?」てことです。全員が死んだ後で、「馬割家の財産は全部オレのもんだ」と出ていったところで、「じゃあ、事故で死んだ馬割朋浩は誰ですのん?」「あんた何か妙な真似してまへんか?」と疑いをかけられるんじゃありませんか? それとも一生死人のままで、戸籍も細工して別人として生きていく算段でもしてたんですかね?
 よく分かりません。と言うより、このトリックって、泡坂妻夫の原作通りなんですかね? だとしたら、日本推理作家協会賞っていう賞の権威にも疑問を持ってしまうのですが・・・。

乱れからくり2 まあ、いいんです。この作品も松田優作という人気俳優が出演することだけに頼ったブロマイド映画だったのでしょう。優作のファンとしては、彼の顔が観られるだけで良いんです。もうちょっとワイルドな優作が見たかったけど。

 あと、私は教養の無い人間ですので知らなかったのですが、劇中、名前だけ出てくる銭屋五兵衛や大野弁吉といった人物は実在したんですね。映画の中では銭屋五兵衛の銅像まで出てきます。金沢では有名なのでしょうか? いや、多分、全国的に有名な人物なのでしょう、私が知らないだけで。
 こういう実在の人物が話に絡んでくると、それにまつわる謎解きで一挙に話が面白くなるし、私はそういう話が大好きなのですが、この作品ではそれが活かしきれてなく、中途半端に名前だけ出すに終わっているのが残念です。この辺りを中心に話を進めれば凄く面白い映画になったように思うのですが・・・。

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家族ゲーム(1983年)

 本間洋平の原作は読んでないのだが、あらすじや書評などを読む限り、互いに無関心な家族を戯画的に描いた作品らしい。要するに「家族崩壊」の話だ。

 森田芳光監督はそれを自分なりに味付けして見せてくれた。

 一見、どこにでもある普通の家族の姿だ。どこが崩壊してんだ?と私には見えた。

 だが、よく見ると、家族同士の無関心ぶりや自己中心な様を表現したシーンは随所に散りばめられている。母親が、早くに子供を産んだことで子供に縛られっぱなしの人生を送ることになったのを後悔していたり、子供の進路決定に関する大事なことを家庭教師に任せてしまったり、長年連れ添っていながら自分の亭主の好きなものを知らなかったり、戸川純など義父が死ぬことより葬式をどうするかを心配していたり・・・

 その最たるものが、家族全員が横一列に並んでとる食事の風景だろう。『家族ゲーム』と言えば、常に真っ先に話題にされるあのシーンだ。

 崩壊家庭の姿を描くことは、同時に、従前のホームドラマの常識をぶっ壊すことに繋がる。横一列の食卓もその一つだが、やり過ぎだろ?と思わなくもない。なぜ森田監督がそこまでやったか?
 森田監督は、崩壊家庭を描くことより従前のホームドラマの破壊の方をよりやりたかったんじゃなかろうか?と私は想像する。次男が高校に合格した日の晩餐がメチャクチャになるシーンも、ぶっ壊してやったぞという森田監督からのメッセージだと見るのは穿ち過ぎだろうか?

 だからといって、崩壊家庭を描くことなどどうでもよかったとは言わない。全編にシュールな演出を施すことで、家族に漂う不安感を表現している。森田流なのだ。
 松田優作演じる家庭教師も、どこまでも掴みどころのない人物像に描かれていて不気味だ。
 ラストのヘリの音。それを聞きながら眠っていく母親は、彼女の、社会に対する無関心をも象徴しているのだろうが、観客は、ヘリの音に得体の知れない不安感を掻き立てられながら映画を観終わることになる。

 森田監督は、新しい時代のホームドラマを作ったのだ。そして、それは不安感に溢れていた。


『家族ゲーム』(1983年)
監督:森田芳光
製作:佐々木志郎、岡田裕、佐々木史朗
原作:本間洋平
脚本:森田芳光
企画:多賀祥介、山田耕大
撮影:前田米造
美術:中澤克巳
編集:川島章正
録音:小野寺修
スクリプター:竹内健二
助監督:金子修介
制作補 :桜井潤一
配給:ATG

出演:松田優作、伊丹十三、由紀さおり、宮川一朗太、辻田順一

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暴力教室(1976年)

ストーリー
転任教師・溝口を待ち受けていたのは、学園の管理体制に牙を向く暴力学生の一群であった。ナイフの洗礼にも冷静な溝口に一瞬圧倒されるが、逆に反抗的態度をとるリーダーの喜多条。ある日喜多条らのグループに、理事長の娘・ますみの姿があった。ますみを目撃した美人教師・花房は彼女を諭すが効き目がなく、学園幹部は溝口を利用する。
学園は生徒会長・新田を筆頭とする体育会グループと喜多条らを対立させることで正常化を図るが、この過程で学園の汚職が発覚し、花房が汚職追及に立ち上がる。校長は花房の行動を封じるため、新田らを利用し、溝口家を訪問した花房と溝口の妹・淳子を暴行させる。淳子は自殺し、溝口は喜多条らの仕業と勘違いするが、花房、喜多条の話を聞いて学園側の罠だと知る。校長、理事の汚いやり口に激怒した溝口と喜多条らは、暴力で学園側に迫っていくのだった…。
映連データベースより)



暴力教室 今は削除されているようですが、ちょっと前までYouTubeに上がっていた予告編を見て、面白そうだなと思ったんで観てみました。

 さすが東映、最後まで退屈させませんね。面白かったです。予告編を見て想像していたのは、もっと衝撃的な内容だったのですが、いざ、見てみると、クールスの面々はどちらかと言うとコミカルな役回り。やっていることも大したこと無いです。予告編ではショックを煽るようなBGMを使っていたのに、本編のオープニングでは“陽気でご機嫌なナンバー”を使ってましたし。前半のノリはビー・バップ・ハイスクールかちょっとハードな「われら青春」といった感じで実に楽しいです。

 主演の松田優作も、暗い過去がある教師を雰囲気たっぷりに演じてますが、この作品ではむしろ舘ひろしの方が印象的でした。これが俳優としてのデビュー作だそうですが、目つきが鋭くて本当に悪そうなツラをしてます(芝居はあんまり上手くなかったですが)。

 バイク集団を率いてたり、金持ちのボンボンだったりと、後に出演する『野性の証明』の大場成明役を思わせるのですが、この作品の設定を土台にして作られた役だったんじゃないのかな?と思ったりしてます。

 今YouTubeで配信してるようなので、興味のある方は観てみてください。→YouTube『暴力教室』(ただし有料です)


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『暴力教室』  (1976年)

監督:岡本明久
脚本:神波史男、奥山貞行、岡本明久、福湯通夫
音楽:菊池俊輔
撮影:中島芳男
照明:川崎保之丞
美術:中村修一郎
録音:長井修堂
編集:田中修

挿入歌:「恋のテディボーイ」
(作詞・作曲・編曲:大木トオル、歌・演奏:クールス)

出演:松田優作、舘ひろし、南条弘二、安西マリア、山本由香利、玉川雅己、村上一海、 佐藤秀光、大久保喜一、ジェームス藤木、渡辺和裕、佐藤蛾次郎、結城なほ子、小畠絹子、安部徹、名和宏、室田日出男、丹波哲郎

サウンドトラック集→暴力教室/俺達に墓はない/ヨコハマBJブルース

ア・ホーマンス(1986年) 主演:松田優作

過去を、記憶すら持たない自由な男が欲望と暴力に満ちた都会に現れた時、何かが起こる…。
人気漫画を基に松田優作が初メガフォンをとったハードアクション。新宿に現れた“風(ふう)さん”と呼ばれる男と、はみ出しヤクザとの間に生まれた奇妙な友情を衝撃的な暴力シーンを交えて描くハードボイルド・ドラマ!(映連データベースより。リンク先に粗筋もあります)

ア・ホーマンス いやあ、たまげたなあ、最後は・・・
 「こ、こ、こ、こんなんアリ~~!?」って、ビックリした後に笑いがこみ上げてきました。映画は全てのシーンがラストに繋がっていると何かで読みましたが、“風さん”の行動を最初から思い出した時、こういうラストならあのシーンもあのシーンもあのシーンも全て合点がいくというものです。
 まあ、観たことない人は観てみてください。観た後で怒りがこみ上げてくる人、「これはこれでいいんじゃない?」と思える人、「素晴らしい、画期的だ!!」と思う人、どう受け止めるかは観た人の自由ですから。
 
 私自身は「これはこれでアリかも」派です。

 というか、ラストなんてどうでもいいんです。これは男と男の友情の物語。松田優作石橋凌、野性味溢れる二人の男の固い絆を描いた映画です。核心はあくまでそこですから。
 山崎(石橋凌)のためならどんな危険にも飛び込んでいく風(松田優作)、山崎も最初は風の変な魅力から近づいたものの、やがて絶大な信頼を寄せるようになる。ヤクザの幹部が風に対しては敬語さえ使うのです。風が山崎を守ろうとする姿は友情を飛び越えて愛情さえ感じさせます。ラストの問題点一つで駄作扱い出来る作品ではありません。

 それに、優作の初監督作品ということですが、光るものがあると思いました。
 (この映画は東映とキティの共同製作ですが)東映のヤクザ物やアクション物と言えば、分かり易さ第一主義みたいなところがあって演出面にはあまりこだわらないところがありましたが、この作品では演出もかなり凝ってます。夜の歓楽街や風俗店の中などかなり雰囲気が出てましたし、ポール牧がヒットマンを殺すシーン、山崎を逃亡させた子分の口をカミソリで裂くシーン、山崎の恋人を犯した後のシーンなどのリアリティはそれまでの東映作品にはあまり無かったように思います。『その男、凶暴につき』の時の北野武監督、この映画にかなりインスパイアされたんじゃないのかな?とさえ思いました。

 音楽も良かったですね。しっかりと場の雰囲気を表現した音楽が作られてます。この面でも優作は色々注文を出したようで、音楽プロデューサーのところに名前があります。
 
 尚、この作品、当初は小池要之助って人が監督を務める予定だったのですが、優作と意見が合わず、自ら降板したそうです。調べてみたらかなり不遇な人みたいで、テレビドラマもそれほど多くないし映画となると1本きり。本人は劇場映画を撮りたがっていたようですが・・・この監督について凄く興味が湧きました。

YouTubeでワンシーンを見ることが出来ます→ア・ホーマンス(プレビュー)

ARB - AFTER '45
ア・ホーマンス』エンディング曲です


ア・ホーマンス(1986年)
原作:狩撫麻礼たなか亜希夫
監督:松田優作
脚本:丸山昇一、松田優作
音楽:奈良敏博、羽山伸也
撮影:仙元誠三
照明:渡辺三雄
美術:今村力
録音:宮本久幸
編集:冨田功
主題歌:『AFTER '45』(作詞・作曲:石橋凌 編曲・歌:ARB サウンドトラック盤:ビクターレコード)
出演:松田優作石橋凌手塚理美、片桐竜次、平沢智子、剛州、梅津栄、伊藤洋三郎、加藤善博、ポール牧石橋蓮司小林稔侍阿木燿子、ジャンボ杉田

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プロフィール

Blik

Author:Blik
作品や監督、俳優等について深い知識は持ち合わせておりません。ハッキリ言えばニワカですので私の評はアテにしないでください。また今日も頓珍漢なこと書いてやがんなあ、ぐらいの感じで読むのが丁度良いかと思います。

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