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ALWAYS 三丁目の夕日 (2005年)

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ALWAYS三丁目の夕日_2 何度観ても名作だなあ、と私は思うのですが、この作品、当時をその目で見てきた世代の方々にはあまり評価されてないようです。「本当の昭和30年代はこんなんじゃなかったよ。町がきれい過ぎるよ。」と言います。BSプレミアム『山田洋次監督が選んだ日本の名作100選~喜劇編~』として放送されましたが、解説の山本晋也監督までが、好きな映画ではあるがと断りつつも、あそこが違うここが違うと「本当の昭和30年代」との違いをかなり指摘されていました。


ALWAYS三丁目の夕日_4 それでも私は思います。この作品に描かれている昭和30年代は、ご年配の方々が懐かしむ昔ではなく、その時代を知らない世代が憧れを覚える、夢の世界としての昭和30年代です。
 そこには、寅さん映画のように、決して悪人がいない世間があり、家族崩壊とは無縁の暖かい家族と団欒があり、本音で物を言い合える、家族のようなご近所さん達がいます。鈴木オートのお父さんは、自動車産業の未来を信じ、自分の工場を大きくするんだという夢に胸を膨らませています。現在のように、混沌とした未来しか思い描けない現代人とは違って、決して豊かではないけれど、人々の表情は明るい時代。そういう夢のような心地よさに浸るための映画ではないのでしょうか? 
 上記のように、「違い」を指摘をすることに何の意味があるのでしょう? 私には、年寄りが、「ワシはこの時代を知っている自慢」をしているようにしか見えないのですが?
 若い観客は、雑然とした、ある意味「汚い」、リアルな昭和30年代を観たかったわけではなく、(それは幻想かもしれないけれど)人間の温かみが残っていたと信じている夢の世界としての昭和30年代を観たかったのだと思いますし、そこが人々に受け入れられ、3本も続くシリーズになったのだと思うのですが、違いますか?


ALWAYS三丁目の夕日_1 年寄り連中に不評なのを承知の上で書きますが、絵そのものも私には文句無しでした。
 本当にCGか?と疑ってしまうほど、道行く人々と、本物にしか見えないCG背景を、違和感なく同化させる技術力は素晴らしく、その完璧な技術力をもって作られた、地平線まで見えそうな広々とした風景は開放感に溢れ、心癒すものがありました。スタッフが何十冊もの本を買い込んで研究したというセットも、内部までしっかり作られています。茶川商店に置かれた駄菓子や玩具の他、劇中に登場するあらゆる小道具も、現存する昭和30年代の物を全国からかき集めてきたのだそうです。
 それらが上手く組み合わされ、私たちが思い描く分には十分に、昭和30年代らしい昭和30年代の風景が作られています。私が物心ついたのは昭和40年代に入ってからですが、その頃見ていた周りの景色とも十分重なりますし、幼い頃の温かい記憶が呼び覚まされ、胸にキュンとくるものがありました。


ALWAYS三丁目の夕日_7 そこで繰り広げられるエピソードの数々も、ある意味ではファンタジーとも言え、心温まるものでした。
 茶川、ヒロミ、淳之介、他人同士の三人が一つ屋根の下、家族のようにライスカレーを食べるシーン。宅間先生が夢の中で見た家族団欒のシーン。ヒロミが、茶川から贈られた見えない婚約指輪を嵌めて、涙を流すシーン。親に捨てられたと思い込んでいた六ちゃんだけど、実は、母親からの手紙が毎月送られてきていたことが分かるシーン等、ベタと言えばベタな話のオンパレードですが、作り手が斜に構えず、良い話をストレートにぶつけてきます。それでこそ、こちらも素直な感動を味わうことが出来るのでしょう。何か悪いことがありますか!?ってんだ、ジジイ共!?
 ラストで、鈴木オート一家が、新しく完成した東京タワーを夕日の中で眺めるシーンは、タワーと共に歩む、これからの明るい未来を象徴するようでもあり、本当に感動的なシーンでした。名作です。シジイが何と言おうとも、この作品は名作です。


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ALWAYS三丁目の夕日_5 それにしても感慨深いのは、薬師丸ひろ子が、もうお母さん役をやる歳になってたんだなあということです。私が、『野性の証明』『セーラー服と機関銃』に夢中になっていたのはつい最近だったような気がしますが、あの頃から、この作品が公開された2005年までの間に、気が付けば30年近い月日が流れていたんですね。薬師丸ひろ子、この時41歳。私がオッサンになるはずですね。ちょっとばかり淋しさも感じる作品でした。

ALWAYS 三丁目の夕日』劇場予告編


ALWAYS 三丁目の夕日 (2005年)
監督、脚本、VFX:山崎貴
原作:西岸良平
脚本:古沢良太
撮影:柴崎幸三
照明:水野研一
美術:上條安里
VFXディレクター:渋谷紀世子
録音:鶴巻仁
編集:宮島 竜治
音楽:佐藤直紀
主題歌:D-51 「ALWAYS」

出演:吉岡秀隆堤真一小雪堀北真希、もたいまさこ、小日向文世、三浦友和薬師丸ひろ子

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遙かなる山の呼び声(1980年)

遥かなる山の呼び声 中標津で、死んだ夫が残した小さな酪農場を守りながら、息子の武志と二人きりで暮らす女・民子(倍賞千恵子)。その二人が暮らす家に、嵐の夜、道に迷ったと言って怪しげな男が玄関の戸を叩き、一夜の宿を乞います。民子は、警戒しながらも男を物置に泊めます。
 男は翌日出ていくのですが、冬が去り、春が行き、短い夏が始まる頃に戻ってきて、酪農場で働かせてくれと頼みます。人手が足りなかったこともあり、民子は内心気味悪がりながらも、その男を雇い入れます。
 この映画は、その男・田島耕作(高倉健)と民子親子の夏から秋にかけての物語です。

 何のためにそこへ来たのかも分からず、自分のこともほとんど語らない田島ですが、見えない場所でも真面目に黙々と働きます。民子とも常に一定の距離を保って礼儀を崩しません。ストイックなまでに自分の立場をわきまえた姿は、いかにも高倉健です(「不器用ですから」とは言いませんでしたが)。
 武志に対しても、男のあるべき姿を日頃の会話の中で教え諭すなど、本当の父親のように接します。民子が入院して、寂しがっている武志を励まそうとかけた「男が生きていくには、我慢しなきゃならないことが一杯あるんだ」というセリフは、これから大人になっていく武志の根っこになりそうな言葉として印象的でした。


遥かなる山の呼び声_高倉健 最初は民子に警戒されていた田島ですが、民子に言い寄り、不埒な挙に出ようとした虻田(ハナ肇)を追い払ったり、腰を痛めて入院した民子が家に戻ってくると息子の武志がすっかり田島に懐いていたりで、民子は徐々に田島への信頼感を深めていきます。
 そして、一見、気丈に見える民子も、本当は弱くて、夫の残した酪農場を守らねばという義務感から、心を無理やり鼓舞していたんだと云うことが言葉の端々に感じられるようになり、同時に、そのことで、田島が新たな心の拠り所となったことも感じさせます。

 田島は田島で、長い孤独な生活の中で民子親子に出会い、久々に安らぎのようなものを感じていました。出来ればこのままずっと民子親子の傍にいたい。しかし、その願いは叶いませんでした。
 実は、田島は二年前誤って人を殺してしまい逃亡中という身の上だったのです。秋、民子と武志を連れて草競馬に出場した田島の周りに警察の影がちらつき始めます。

遥かなる山の呼び声_倍賞千恵子 心の拠り所を求める男と女の姿が、北海道の美しい風景の中で、決していやらしくなく、一種の清々しさをもって描かれた名作です。

 最初は嫌なヤツとして登場した虻田役・ハナ肇も、ラストでは重要な役割が与えられています。民子の息子・武志を演じた吉岡秀隆。この頃はまだ八歳か九歳ぐらいですが、山田洋次監督が、翌年から『男はつらいよ』シリーズのレギュラーに起用しただけあって、いかにも子供らしい子供を自然に演じています。名優・鈴木瑞穂も田島の兄役で出演。その他、『幸福の黄色いハンカチ』の武田鉄矢や、『男はつらいよ』の渥美清、北海道だからか、ムツゴロウこと畑正憲もそのまんま獣医役でゲスト出演し、作品を盛り上げています。

 最後、田島と民子には悲しい別れが待っていますが、そのまま終わらせる山田洋次ではありません。ちゃんとハッピーエンドになってます。それは観てからのお楽しみ。
『遙かなる山の呼び声』は6月14日のBS-プレミアム『プレミアムシネマ』で放送予定だそうです。

『遙かなる山の呼び声』(1980年)
監督:山田洋次
脚本:山田洋次朝間義隆
製作:島津清
音楽:佐藤勝
撮影:高羽哲夫
編集:石井巌
配給:松竹

出演:高倉健倍賞千恵子吉岡秀隆ハナ肇、杉山とく子、鈴木瑞穂、木の葉のこ、下川辰平、武田鉄矢渥美清

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優駿 ORACIÓN (1988年)

 競馬に興味無いから観ても面白くないだろうと思ってたんだけど、主人公・久美子と、その腹違いの弟・誠の姉弟愛の物語なんかが、オラシオンの成長と並行して盛り込まれてて、私のような観客にもちゃんと楽しめるよう作られてます。緒形拳と緒形直人の俳優親子が、映画の中でも親子を演じるみたいな“イベント”も用意されてたり。

優駿 ORACION まあ、その物語も「ボチボチでんな」という程度ではありましたけど、それなりに楽しめます。
 久美子(斉藤由貴)の馬であるオラシオンは、誠(吉岡秀隆)の馬でもあり、博正(緒形直人)の馬でもあります。いよいよダービーに出走するまでの物語、例えば、博正の父がどれだけダービーで勝てる馬を作りたかったかとか、あるいは、(願い半ばで死んでしまいますが)誠がどれだけダービーで走るオラシオンの姿を見たがっていたか等を見てきたなら、久美子、誠、博正、三人の夢を背負って走るオラシオンの姿に「頑張れーーーっ!!」と応援したくなることでしょう。たとえ馬券は買ってなくても!! オラシオン、下手をすれば3千万円の馬刺しになってたかも知れませんし。

 私が良いなと思ったのは物語より映像美でした。自然の中に遊ぶ馬の姿が神々しいまでに美しく撮られてます。まるで、企業がスペシャル番組なんかで流す数分のイメージCMを見るようで、実に美しい。映像だけでも一見の価値ありです。
 三枝成彰の音楽が、これまた映像に負けないぐらいの神々しさで、馬の美しさを演出することに一役買ってます。やっぱり、映画での音楽の役割って大きいですね。『乱れからくり』では、内容と合わない音楽が、ダメな映画を益々ダメにするのを目撃しちゃったので余計そう思います(念のために言っておきますが、それは音楽を担当した大野雄二の責任ではなく監督の責任です)。

 あと、映画の内容とはあんまり関係無いですが、斉藤由貴のファッションがモロに(この作品が製作された)1988年当時のもので懐かしかったですね。丁度バブル期でもあり、しかも社長令嬢の役だからゴージャスな装いされてるんですよ、これが。喋り方も当時の女の子そのままでした。いや、リアルな世界の女の子はあんな喋り方はしてませんでしたが、テレビの中のアイドルはあんな風だったんです。それが妙に懐かしかった。オッサン世代には、映画の内容の他にそういう所も楽しめる作品でした。 
 
『優駿 ORACIÓN』(1988年)
監督:杉田成道
脚本:池端俊策
原作:宮本輝(『優駿』より)
製作:羽佐間重彰、日枝久
製作総指揮:浅野賢澄、鹿内宏明
音楽:三枝成彰
製作:フジテレビジョン、仕事
配給:東宝

出演:斉藤由貴、緒形直人、吉岡秀隆、加賀まりこ、吉行和子、林美智子、平幹二朗、石坂浩二、石橋凌、根本康広、下条正巳、田中邦衛、三木のり平、緒形拳、仲代達矢 他

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作品や監督、俳優等について深い知識は持ち合わせておりません。ハッキリ言えばニワカですので私の評はアテにしないでください。また今日も頓珍漢なこと書いてやがんなあ、ぐらいの感じで読むのが丁度良いかと思います。

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