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今日見た映画の感想・レビューを書いてます。70年代・80年代の映画(邦画)がメインかと。日本映画バンザイ!!

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ハゲタカ(2009年)

ハゲタカ 壁紙


 寂寥とした中国の大地で、農夫の息子らしき少年が作物の種を蒔いています。突然、目の前の一本道を一台の赤いスポーツカーが疾駆していき、少年は不思議そうな目でその後ろ姿を見送っています。
 
 本編の一番初っ端の部分です。最初は何気なく見てましたが、物語が進み、このシーンの意味が分かってくると、実は凄く重要なシーンだったことが分かります。

ハゲタカ 鷲津政彦(大森南朋) 少年が赤いスポーツカーを見てから、長い月日が経った頃、“赤いハゲタカ”の異名をとる劉一華という男が、突如として、アカマ自動車に敵対的買収を仕掛けます。ホワイトナイトとしてそれを阻止せんとする鷲津政彦。手練手管、権謀術数の限りを尽くして、二人が繰り広げる一進一退の攻防劇が物語のメインです。

 主人公・鷲津政彦には大森南朋。私は最近になってやっとその名前を覚えた口ですが(しかもずっと“おおもりなんほう”と読んでた)、この作品からブレイクしたようです。メガネをかけると、どこか少し痩せた秋元康に見えてしょうがなかったですが、ルックスが完璧じゃない方が逆にリアリティが感じられて良いかもです。

 そして、“赤いハゲタカ”劉一華に玉山鉄二。完璧に二枚目の顔が冷酷非情な性格を際立たせています。

 物語は、最初から最後まで緊迫感に溢れ、2時間以上の時間があっという間に過ぎました。甘っちょろい優しさを見せることもなく、大義だの良心など入り込む余地もなく、どちらが善でどちらが悪というわけでもありません。そういう物語です。


ハゲタカ 鷲津政彦(大森南朋) &劉一華(玉山鉄二)


 鷲津も劉一華も感情に流されることなく、冷徹に事を進めていく様は、私のような小物からすれば憧れさえ感じますが、同じ世界の生き物ではないという遠さも感じます。が、それでも彼らはやはり人間でした。

 鷲津は、三島由香(栗山千明)の父親を自殺に追いやったことに今でも後ろめたさを感じています。
 誰かが勝てば誰かが不幸になることを弁えている鷲津。自分の策略で、敵側であるスタンリー・ブラザース証券の株価がみるみる急落していくシーンがありますが、右肩下がりのチャートが写ったモニターを見ながらも、鷲津は全然嬉しそうではなく、逆に苦悩したような表情を浮かべているのは印象的でした。

ハゲタカ 劉一華(玉山鉄二) そして一方の劉一華も、アカマを買収しようとするモチベーションが、彼の心の中の実にウェットな部分に源を発していたことが後半になって分かります。

 まだ観てない人のために詳しく書けませんが、初っ端にあった、赤いスポーツカーを見る少年の姿から全ては始まっていたのです。

 ラストで、鷲津が、中国にある粗末な一軒の家を訪れますが、その家の壁に、子供の絵で赤い車が描かれているのを見るシーンは本当に切なかった。この手の作品で涙が出るとは思いませんでした(ここまで書くとネタバレですかね? まあ、いいや)。

 まあ、この作品で、鷲津と劉一華のどっちが好きか?と聞かれたら、私は迷うことなく「劉一華」と答えることでしょう。そう思わせるほど、彼は心の中に純粋な気持ちを秘め、それは彼への共感を沸き立たせるに十分なものでした。


ハゲタカ 鷲津政彦(大森南朋)&三島由香(栗山千明) テレビシリーズの映画化作品というのは、大概、イマイチだなと思わされることが多いものですが、さすがはNHKと言いますか、この作品はかなりの出来でした。同じくNHK土曜ドラマの1シリーズを基にした『外事警察 その男に騙されるな』が現在公開中ですが、ネットで感想を検索するとなかなかの評判です。劇場に足を運ばれてはいかがでしょう(私は貧乏だから行けません)。


『ハゲタカ』(2009年)
監督:大友啓史
脚本:林宏司
製作:富山省吾
製作総指揮:諏訪部章夫、市川南
音楽:佐藤直紀
主題歌:『ROAD TO REBIRTH』
撮影:清久素延
編集:大庭弘之

出演:大森南朋玉山鉄二栗山千明松田龍平高良健吾柴田恭兵




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桃太郎映画化計画(妄想)

本日更新の『NHK生活情報ブログ』に「語り継ぎたい昔話、一番人気は・・・」と題して以下のような記事が載ってました。

「子どもに語り継ぎたい昔話は何ですか」。先日、おもちゃメーカーが全国の保護者を対象に行った調査の結果が発表されました。2位以下を引き離し圧倒的な支持を集めたのは、仲間と力を合わせて悪者を退治する“あの物語”でした。

この調査はことし1月から2月にかけて、おもちゃメーカーが実施。
12歳までの子どもがいる全国の保護者2000人が回答しました。

それによりますと、「子どもに語り継ぎたい昔話や童話」を複数回答であげてもらったところ、「桃太郎」と答えた人が20.3%で最も多くなりました。


『戦国自衛隊』での薬師丸ひろ子
と言うことで、「桃太郎」は男女別でもいずれも1位だったそうです。

そうか、日本で一番がある昔話は桃太郎か!! 

で、ふと思ったんですが、

ハリウッドでは、『スノーホワイト』(日本公開中)、『白雪姫と鏡の女王』(日本公開9月予定)などの白雪姫映画や、『Jack the Giant Killer(ジャックと豆の木)』が作られていて、なんとなく昔話の映画化が流行りみたいです。

ならば、日本でも桃太郎を映画化しちゃどうでしょう?

あれをそのまま実写にしても面白くないので、桃太郎役を女の子にしてしまいます。イメージとしては『戦国自衛隊』の薬師丸ひろ子みたいな感じです。

で、犬・猿・雉には、ジャニーズ系のイケメンを配し、普段は人間の若武者の姿という設定にし、桃太郎がピンチに陥ると変身して救うワケです。変身後の姿も普通の猿や犬の姿ではなく、猿や犬をモチーフにした変身ヒーローのような姿にすると面白いかもです。

鬼は鬼で、今風のクリーチャーデザインを取り入れたものにして・・・と、実現したら凄く面白い和風ファンタジー映画になると思うんですけど、東映さん辺りでやってくれないもんでしょうか?


『スノーホワイト』予告編


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ガンマー第3号 宇宙大作戦(1968年)

 今では、暴力をテーマにした映画の第一人者というイメージのある故・深作欣二監督ですが、過去には、日本版スターウォーズ『宇宙からのメッセージ』や、小松左京の原作による『復活の日』などの、SF映画も撮っていました。
 が、それ以前に『ガンマー第3号 宇宙大作戦』という作品があり、それが深作監督によるSF作品第1号だったと知って、どんな映画なのか興味があったのですが、なんとYouTubeで、東映が公式に無料公開してることを知り、観ることが出来ました。

 作品についてはこちらのサイトにかなり詳しい解説がありましたのでご参照下さい⇒『空想特撮愛好会』

 『宇宙からのメッセージ』は自分にとってはかなり残念な出来で、実はこの作品にもあまり期待していなかったのですが、面白かったです。
 物語の核は、宇宙ステーション・ガンマー第3号に侵入した怪獣と乗組員達との攻防といったところですが、まさか怪獣が出てくる映画だとは思いませんでした。しかも、この怪獣がとにかく手強い。光線銃で殺しても生き返るし、傷ついて血を流せば、その血から新しい怪獣がどんどん増殖します。ガンマー第3号の中は怪獣だらけ。有効な退治方法も無く、「もう、どうしたらいいの!?」って感じで、古い作品ながらなかなか緊迫感を感じさせてくれました。

 観ながら思い出したのは、東映が本作の前年に制作していた特撮テレビシリーズ『キャプテンウルトラ』です。あの作品でもバンデル星人が、集団で宇宙ステーションに侵入してきて、本作と同じように人間たちを襲ってましたっけ?
 東宝はゴジラシリーズ他、多くの怪獣映画を作っているし、大映もガメラや大魔神を作っています。日活や松竹でさえ、ガッパやギララ等の怪獣映画を作っているのに、なんで東映は怪獣映画を作らなかったのかなあ?と前々から疑問に思っていたのですが、巨大怪獣じゃないだけで、ちゃんと作っていたのですね。子供の頃、駄菓子屋にあった5円写真にはジャイアントロボやキャプテンウルトラはあったけど、この作品は無かったから、東映は怪獣映画を作ってないんだと勝手に思い込んでましたが、“大怪獣の出てこないキャプテンウルトラ”とでも言うべき本作が、東映流の怪獣映画だったのかも知れません。難しいことを考えないで、軽く楽しめる作品です。


ガンマー第3号 宇宙大作戦(1968年)
監督:深作欣二田口勝彦
脚本:金子武郎、トム・ロー
企画:アイバン・ライナー、ウイリアム・ロス、扇沢要、太田浩児
撮影:山沢義一
録音:渡辺義夫
照明:梅谷茂
美術:江野慎一
音楽:津島利章
編集:田中修
助監督:山口和彦
進行主任:阿部征司
装置:松野大三郎
装飾:武井正二
記録:山之内康代
特撮:日本特撮映画株式会社(川上景司、渡辺明)

出演:ロバート・ホートンリチャード・ジェッケルルチアナ・パルツィ

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悪霊島 (1981年)

悪霊島 7


 東宝の石坂金田一シリーズとは違うパターンかな?という印象です。

 それまでの金田一物の登場人物達は、当たり前のように古い伝統や価値観の中に生き、そこに何の疑問も持たない人々でした。価値観が云々されることさえ無かったように思います。

 この作品に登場する、刑部大膳(佐分利信)や吉太郎(石橋蓮司)、そして巴御寮人(岩下志麻)も古いタイプの、伝統というものに何の疑いも持たない登場人物ですが、その一方で、刑部島出身で実業家の越智竜平(伊丹十三)は、伝統の破壊者たらんとして島に帰ってきます。また、刑部家の宮司である刑部守衛(中尾彬)は、刑部神社の御神体を俗悪な金の矢に交換する話を越智竜平に持ちかけられ、それに乗ります。守衛の動機は、刑部大膳の強烈な支配に対する復讐心ですが、彼を、大膳に象徴される古い伝統への反抗者と見ることも出来ます。

悪霊島 4 この物語の舞台となった1969年は、70年安保闘争真っ盛りであり、もちろん「あさま山荘事件」や「連合赤軍リンチ殺人事件」も起こっておらず、新左翼党派間の内ゲバもまだ陰惨な殺し合いに発展する前の頃です。70年代に入って、彼ら新左翼活動家達の至らなさが明らかになるにつれ、若者達は急速にシラケ、ミーイズムに向いますが、69年はまだ、「反抗こそ若者の美徳」と多くの人々が考えていた時代だと思われます。篠田正浩監督(横溝正史?)は、そんな時代を象徴する人物として、越智竜平や刑部守衛を作り出したのかな?という感じです。
 また、「性の解放」が叫ばれ、日本女性が堅持してきた貞操観念が徐々に崩壊しつつあった時代でもあり、それが、巴御寮人のもう一つの人格ふぶきの性的奔放さとして表現されていると見るのは考えすぎでしょうか?

 刑部大膳は「人間の尊厳、そういったものを簡単に放棄する奴は、それなりの報いがある。近頃の人間共は、放棄することに慣れて、守ることを忘れている。何が自由だ? 何が解放だ? 己の魂の在り方も守れず、戦後は解放されたとほざく。血が濁っても平気な奴はどんどん死ねばいい!!」と金田一に向かって吐き捨てるように言います。吉太郎は吉太郎で「現代人の失っているもの それは静かで激しい拒絶だ」という言葉を自分の部屋の机に彫っています。それまでの金田一映画からは想像も出来ない言葉です。

 そういう、今までの金田一物映画とは違う、古い価値観と新しい価値観の相克とでも言うようなものが、テーマとして込められているように思います。(もっとも、篠田正浩監督は、DVD付録の解説書の中で「日本の風土が作り上げた神というものは――実は人間が持つ一種のイマジネーションで作られていく……神様は人間が作るんだ、ということをやってみたかった。その思いを『悪霊島』にこめたんです。」と語っていますが。)

悪霊島 6


 本作で不満に思った点もやはり言っておきたいと思います。
 この作品の登場人物が総じて「冷たい」のが気になりました。「冷たい」と言うか、人間の血が通った人物が描かれていないように思います。
悪霊島 3 巴御寮人は常にすまし込んでいて、まるで感情を持たないようです。役柄上ある程度仕方無いとは思いますが、娘・片帆が殺されても平然としているのはいかがなものでしょう? 夫・刑部守衛の妾にずっと預けていた子という設定だから、情が湧かないのでしょうか? それでも、自分の腹を痛めた子という意識はあると思うのですが。竜平は竜平で、三津木五郎(古尾谷雅人)が自分の子供かも知れないと言うのに、五朗に何の思いも無いかのようです。当の五郎にしても、浅井はるのところへやってきたのは本当の母親を探すためだったはずなのに、その思いの深さが伝わってきません。
 主人公の金田一耕助からして、ユーモラスな表情もたまには見せますが、どこか淡々としていて落ち着き過ぎています。石坂浩二の金田一耕助が秀逸だったため余計そう思うのかも知れませんが、金田一耕助に何のキャラクター付けもされておらず、袴姿の普通の人といった感じです。
 全ての登場人物が、ただ話を進めるためだけに登場する人形のようでした。

 また、話が分かりにくい部分、最後まで観てもはっきりしない部分が幾つかありました。重箱の隅をつつくようですが、最後まで残った疑問を挙げてみますと、
●越智竜平はなぜ、消息不明になった青木の調査を金田一に依頼したのでしょう? 青木は越智の部下だったのでしょうか?
●殺された浅井はるの家で見つかった、刑部神社のおみくじの意味は?
悪霊島 2●刑部守衛殺害現場にあったはずの、平教経の弓が七人塚にあった意味は?
●真帆は「片帆が生前何かを怖がっていた」と金田一に言いますが、それは何なのでしょう? 片帆は、母・巴御寮人の中の別人格を知っていて、それを怖がっていたのでしょうか? それにしては、巴御寮人母娘が初めて登場する記念撮影のシーンでは、片帆が母を怖がっているようには見えません。
金田一耕助が「ふぶき」の部屋に入った時、前からそこにいた誠が金田一に発見され、逃げ出しますが、誠はそこで何をしていたのでしょう?
●三津木五郎の生まれた年の夏、モグリの産婆・浅井はるが取り上げた子は一人だけです。腰が繋がったシャム双生児でした。それこそが巴と竜平の間に生まれた子だったのですが、ならば、五朗は、巴と竜平の子ではなかったと云うことで良いのでしょうか? だとすれば、五朗が育ての母から聞いた話は何だったんでしょう?

 以上、最後まで説明が無かった点です。これらの他にも、よほど注意して見てないと、一度見ただけでは分かりにくい部分も幾つかあり、この辺りの篠田正浩監督の不親切さは、“芸術映画”を作っていた頃のクセが抜けきれなかったものでしょうか。


悪霊島 5 尚、この作品、冒頭とラストに、ビートルズの『Get Back』『Let It Be』が使用されていましたが、使用期限が過ぎ、DVDでは他のアーティストによるカバー曲に挿し替えられています(『Get Back』⇒ビリー・プレストン、『Let It Be』⇒レオ・セイヤー)。私が今回観たのもDVDででしたが、レオ・セイヤーの歌による『Let It Be』が実に良いです。本家ビートルズのバージョンも良いですが、こちらもかなり心に響くものがあります。機会がありましたら、一聴されることをお勧めします。


悪霊島 1


『悪霊島』(1981年)
監督:篠田正浩
脚本:清水邦夫
原作:横溝正史
製作:角川春樹
プロデューサー:橋本新一、飯泉征吉
撮影:宮川一夫
美術:朝倉摂
音楽:湯浅譲二
音楽プロデューサー:高桑忠男

出演:鹿賀丈史、室田日出男、古尾谷雅人伊丹十三岩下志麻、岸本加世子、宮下順子、二宮さよ子、中島ゆたか、大塚道子、原泉、武内亨、嵯峨善兵、多々良純、中尾彬、佐分利信、石橋蓮司、根岸季衣、浜村純、他

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ALWAYS 三丁目の夕日 (2005年)

ALWAYS三丁目の夕日_8


ALWAYS三丁目の夕日_2 何度観ても名作だなあ、と私は思うのですが、この作品、当時をその目で見てきた世代の方々にはあまり評価されてないようです。「本当の昭和30年代はこんなんじゃなかったよ。町がきれい過ぎるよ。」と言います。BSプレミアム『山田洋次監督が選んだ日本の名作100選~喜劇編~』として放送されましたが、解説の山本晋也監督までが、好きな映画ではあるがと断りつつも、あそこが違うここが違うと「本当の昭和30年代」との違いをかなり指摘されていました。


ALWAYS三丁目の夕日_4 それでも私は思います。この作品に描かれている昭和30年代は、ご年配の方々が懐かしむ昔ではなく、その時代を知らない世代が憧れを覚える、夢の世界としての昭和30年代です。
 そこには、寅さん映画のように、決して悪人がいない世間があり、家族崩壊とは無縁の暖かい家族と団欒があり、本音で物を言い合える、家族のようなご近所さん達がいます。鈴木オートのお父さんは、自動車産業の未来を信じ、自分の工場を大きくするんだという夢に胸を膨らませています。現在のように、混沌とした未来しか思い描けない現代人とは違って、決して豊かではないけれど、人々の表情は明るい時代。そういう夢のような心地よさに浸るための映画ではないのでしょうか? 
 上記のように、「違い」を指摘をすることに何の意味があるのでしょう? 私には、年寄りが、「ワシはこの時代を知っている自慢」をしているようにしか見えないのですが?
 若い観客は、雑然とした、ある意味「汚い」、リアルな昭和30年代を観たかったわけではなく、(それは幻想かもしれないけれど)人間の温かみが残っていたと信じている夢の世界としての昭和30年代を観たかったのだと思いますし、そこが人々に受け入れられ、3本も続くシリーズになったのだと思うのですが、違いますか?


ALWAYS三丁目の夕日_1 年寄り連中に不評なのを承知の上で書きますが、絵そのものも私には文句無しでした。
 本当にCGか?と疑ってしまうほど、道行く人々と、本物にしか見えないCG背景を、違和感なく同化させる技術力は素晴らしく、その完璧な技術力をもって作られた、地平線まで見えそうな広々とした風景は開放感に溢れ、心癒すものがありました。スタッフが何十冊もの本を買い込んで研究したというセットも、内部までしっかり作られています。茶川商店に置かれた駄菓子や玩具の他、劇中に登場するあらゆる小道具も、現存する昭和30年代の物を全国からかき集めてきたのだそうです。
 それらが上手く組み合わされ、私たちが思い描く分には十分に、昭和30年代らしい昭和30年代の風景が作られています。私が物心ついたのは昭和40年代に入ってからですが、その頃見ていた周りの景色とも十分重なりますし、幼い頃の温かい記憶が呼び覚まされ、胸にキュンとくるものがありました。


ALWAYS三丁目の夕日_7 そこで繰り広げられるエピソードの数々も、ある意味ではファンタジーとも言え、心温まるものでした。
 茶川、ヒロミ、淳之介、他人同士の三人が一つ屋根の下、家族のようにライスカレーを食べるシーン。宅間先生が夢の中で見た家族団欒のシーン。ヒロミが、茶川から贈られた見えない婚約指輪を嵌めて、涙を流すシーン。親に捨てられたと思い込んでいた六ちゃんだけど、実は、母親からの手紙が毎月送られてきていたことが分かるシーン等、ベタと言えばベタな話のオンパレードですが、作り手が斜に構えず、良い話をストレートにぶつけてきます。それでこそ、こちらも素直な感動を味わうことが出来るのでしょう。何か悪いことがありますか!?ってんだ、ジジイ共!?
 ラストで、鈴木オート一家が、新しく完成した東京タワーを夕日の中で眺めるシーンは、タワーと共に歩む、これからの明るい未来を象徴するようでもあり、本当に感動的なシーンでした。名作です。シジイが何と言おうとも、この作品は名作です。


ALWAYS三丁目の夕日_3 ALWAYS三丁目の夕日_6


ALWAYS三丁目の夕日_5 それにしても感慨深いのは、薬師丸ひろ子が、もうお母さん役をやる歳になってたんだなあということです。私が、『野性の証明』『セーラー服と機関銃』に夢中になっていたのはつい最近だったような気がしますが、あの頃から、この作品が公開された2005年までの間に、気が付けば30年近い月日が流れていたんですね。薬師丸ひろ子、この時41歳。私がオッサンになるはずですね。ちょっとばかり淋しさも感じる作品でした。

ALWAYS 三丁目の夕日』劇場予告編


ALWAYS 三丁目の夕日 (2005年)
監督、脚本、VFX:山崎貴
原作:西岸良平
脚本:古沢良太
撮影:柴崎幸三
照明:水野研一
美術:上條安里
VFXディレクター:渋谷紀世子
録音:鶴巻仁
編集:宮島 竜治
音楽:佐藤直紀
主題歌:D-51 「ALWAYS」

出演:吉岡秀隆堤真一小雪堀北真希、もたいまさこ、小日向文世、三浦友和薬師丸ひろ子

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プロフィール

Blik

Author:Blik
作品や監督、俳優等について深い知識は持ち合わせておりません。ハッキリ言えばニワカですので私の評はアテにしないでください。また今日も頓珍漢なこと書いてやがんなあ、ぐらいの感じで読むのが丁度良いかと思います。

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